スリングは赤ちゃんを抱っこするためにとても便利なツールですが、間違った使い方をすると大切なお子様に危険を及ぼしてしまうことがあります。実際、間違ったスリングの使い方をしてしまったが故に大切な我が子を死なせてしまったという事例も存在します。
そこで、ここでは間違ったスリングの使い方についてご紹介させていただきます。
1.赤ちゃんの位置
まずは、ポーチ内での赤ちゃんの位置についてです。スリングの中に赤ちゃんを入れる際には、赤ちゃんのお尻がポーチの中心に来るようにする必要があります。
もしもポーチの端っこの方にお尻が引っかかっているくらいの感じで赤ちゃんを入れてしまうと、スリングから赤ちゃんがすっぽりと抜け落ちてしまう可能性があるのです。
また同様の理由で、スリングが緩んだ状態になっているのも危険です。そこで赤ちゃんをポーチに入れた後はスリングが緩んでいないかをよく確認し、少しゆるいかな、と感じた場合にはテールを引いてスリングの長さを調節することで、赤ちゃんの体を布でぴったりと包み込むことができるようにしましょう。
2.首がすわる前の赤ちゃん
スリングは生後2週間くらいから使用することができます。
しかし、赤ちゃんは生後3か月から4か月くらいまでは首がすわっていません。
そして首がすわっていない赤ちゃんをスリングの中に入れて抱っこすると、首が不自然に曲がってしまい思わぬ事故が起こる可能性があります。実際、首がすわる前の赤ちゃんをスリングで抱っこした際に首と一緒に気管が折れ曲がってしまい窒息してしまったという事故も発生しています。
そこで首がすわる前の赤ちゃんを抱っこする場合には、しっかりと頭を支えてあげるとともに、常に赤ちゃんの顔色を確認できるようにしておきましょう。
3.赤ちゃんの足
最後に赤ちゃんの足についてです。
スリングの中で赤ちゃんを抱っこする際は、赤ちゃんの足の形にも気を付けてあげる必要があります。赤ちゃんの足はスリングから出しておくのが基本の形なのですが、この時に足がM字型になっているかをよく確認しておきましょう。
日本人の新生児は先天性股関節脱臼が多いということがわかっているため、この時期に不自然な形で長時間抱っこされてしまうと骨格の形成がうまくできなくなり成長してからも脱臼しやすくなる可能性があるのです。
そこで赤ちゃんを抱っこする場合には、赤ちゃんの大腿部を良く開かせたうえでママの体に足がぴったりと寄り添うような姿勢にするよう心がけましょう。